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血液型…A型/ 星座…牡牛座/ 性格…頑固な保守派/ 得意なこと…セリフの暗記/ 苦手なこと…手先を使うこと、音符を読むこと、整理整頓/ 口癖…あら、まあ!

2010年4月13日火曜日

「レベッカ」(帝劇バージョン)

帝劇で上演している「レベッカ」の再演バージョンを観てきました。

久しぶりの帝劇、久しぶりの観劇。まさに感激!(ダジャレ?)

祐さんのカッコよさに久しぶりにやられました…。
マキシム、かっこよすぎる!!!!!!!!!!!
久しぶりに私の中の「大好きランキング」1位に返り咲きました。
まあ、そもそも私にとってこの世で最もかっこいい人は今も昔も山口祐一郎なんですけどね。今日観ながら、改めて祐さんは宇宙一かっこいいと思いました。

ただね、これは見た目の話で。
ミュージカルファンとしては、今回の祐さんはあまり高く評価できない。
ここ数年、歌唱力が落ちてきているのが否めない祐さん。マキシムの歌は高音が多く、メロディも転調が多くて難しい。以前の祐さんだったら、もっと聞きやすい歌い方ができただろうに、と思うと残念です。高音はキツイし、全体的に「歌を聴かせる」ものになっていないんですよね。相手役の大塚ちひろちゃんが頑張っているだけにねえ…。祐さんはもちろんいつも丁寧なんだけど、今回はそれではカバーしきれない衰えを感じてしまいました。
せっかく歌が増えたのに…。
歌は2か所増えました。一つはマキシムが「わたし」の純粋な様子に心惹かれる様子を歌った曲。
もうひとつは曲が増えたわけじゃなくて、これまで祐さんが登場はしても歌わなかった部分に歌が入ったんです。ラストの「事件」から20年後のシーンで、祐さんにソロがあります。(登場の仕方も少し変りました。以前は白髪が交じった鬘をかぶっていただけですが、今回は杖をついています。まあ、歳の差カップルなわけですから、20年後のマキシムが若々しくすたすた歩いてくるよりはいいよですよね)
この2か所は、マキシムの心境がわかりやすくなっていいと思いました。ただその分、芝居全体が「サスペンス」から「ラブ・サスペンス」になりましたが。

祐さん以外のキャストについてもちょっと。
禅さんがよかったです。初演も良かったんだけど、初演以上にフランクがレベッカをどう思っていたかが表れている演技で。(フランクを理解するなら、原作を読まれることをお勧めします)
歌もいつも通り素敵だし。「それが妻として望みうるすべて。どんなすごい美女よりも~」って「わたし」に対して歌う「誠実さと信頼」がありますよね。今日はあれを聞いて涙が出てしまいました。あまりに上手くて。
圭吾さんも、初演に比べると抑え気味で良かったかな。いや、彼が抑え気味というより、ハコが大きくなった分、彼の大げさな演技が目立たなくなっただけなのかも。「持ちつ持たれつ」っていうファヴェル唯一のソロ、あそこがあまり浮いて見えなくなった。

それから今回の新キャスト。
まずは涼風さん。ダンヴァース夫人は、シルビアさんの印象があまりに強くて、涼風さんの歌い方に馴れるまでに少し時間がかかりました。彼女のダンヴァースは…人によって感じ方は違うでしょうが…「レベッカを想い続ける自分に酔っている」感じがしました。この役には「恐ろしさ」は必要だけれど、「妖艶さ」はいらないと思うんですよね。でも妖艶な表情がそこかしこに表れるから、「もしかしてレベッカとデキていたのか?」と同性愛までをも疑わせてしまう。それはこの役においてはいらない発想だと思うんだけれども。
でも、彼女が「レベッカ、帰ってきて~」と歌うのを聞くと、涙が出そうになりました。(低音は男役っぽい)
次にtekkanさん。実はこのキャスト変更も楽しみにしていた一つなんです。はるパパさんが嫌いなわけではありませんが、「どういう設定だよ!」って言いたくなるようなお歳だから…。オープニングの「わたし」が過去を回想するシーンに、マキシム以外のみんなが出てきますよね。あそこでのtekkanさんがとっても可愛い雰囲気を出していたので、私が(原作から)イメージするベンに近いなぁって嬉しくなりました。ただ、実際に劇中に登場すると、演技がちょっとね…。やっぱりはるパパさんはベテランの演技力だったんだなと思います。ベンは病的なところの他に、怪しさと純粋さが必要です。子供っぽさとずるさもね。tekkanさんはまだそれらの複雑なところを併せ持つベンにはなっていない。レベッカに対する恐怖と憎しみ、「わたし」に対する甘えをもうちょっと出せるといいね!

そして、大きく変わった舞台装置や照明についても言及しておかなければ。キャストよりもこっちが楽しみだったんだもん。
初演のシアタークリエでは、幕にマンダレイの門の様子が描かれていて、客入れの時点で「そこにはマンダレイの世界が広がっている」って感じだったんですよね。それが今回は緞帳にあの「R」という文字が浮き上がって描かれているんです。あのマンダレイの門、好きだったのになぁ~と思ったんですが、幕が上がるとそこには絵ではなくセットとして作られたマンダレイの門が。あ、そうか。門を作ってしまえる大きさなんだもんね。
全体的に広くなったので、これまで廻り舞台で場転していたところが必要なくなり、暗転の回数も減った(ように思う)のは良かったです。ダンヴァース夫人が「わたし」を海に飛び込むように追い詰めるところとか、セットが組まれた分、状況がわかりやすくなりました。それに加えて映像が効果的に使われ、波や炎などが視覚的に見えるようにされていたのも良かったと思います。
そうそう、姿は観客の想像にお任せの「レベッカ」の影が、時々屋敷の中に白く現れますので、これから観る方は要注目!
「わたし」の怯えがより強調されるので、いい演出だと思います。

細かいことかもしれませんが、2か所残念に思ったところがあります。
一つ目はマキシムの姉のベアトリスが「わたし」から相談を受けたあと、「人知れぬ孤独、誰にも見せない…」と歌う「何を悩む」のシーン。初演は暗い中、伊東さん扮するベアトリスにだけスポットが当たっている中歌われていたんですが、今回は後ろに緑の映像。自然の多い地域の平和な家庭にいるということはわかるけれど、歌詞の内容は決して明るいものではないのだから、初演のように暗い中で歌った方が彼女の苦悩も見えやすいんじゃないかな。
もう一つはマンダイが火事になるシーン(「炎のマンダレイ」)。祐さんが「すべて消えてしまえ!」って歌うところ。その直前の炎が初演よりもずっと迫力があっていいんですが、マキシムが歌出すと消えて暗くなってしまうんですね。それがもったいないな、と。マキシム以外の人が退場するようになったのはいいと思うので、それはそのままで、ついでに照明(炎)も燃えたままにして、マキシムが崩れ落ちようとしている燃え盛るマンダレイの前で「すべて消えてしまえ!」って歌った後に暗くして、崩れ落ちる音とその中のダンヴァース夫人…という風に描いた方が迫力があるような気がします。せっかくの大きな舞台だし…。

舞台装置とともに、衣裳も少々豪華になりました。基本的には変わらないんですが、目立つのは仮装舞踏会のシーン。面白いところにお金をかけるな、と思いましたが、舞台が広くなったから衣裳も派手にしないといけないんですかね。
仮装舞踏会のシーンと言えば!
これは1幕最後のシーンになるわけですが、「わたし」のドレスを見たマキシムが怒って立ち去った(初演では立ち去らなかったように思いますが)後、ダンヴァース夫人とアンサンブルの皆さんで「レベッカ~!」って歌いますよね。あそこのシーン、人々が「わたし」に詰め寄っている中でヴァン・ホッパー夫人だけ離れて立って、祈るように手を組み合わせていますね。これって何の意味があるんでしょう??
詰め寄っている人々はすでに役柄は関係なくアンサンブルというかセットのような役割になっている中で、彼女一人が「ヴァン・ホッパー役」のまま。これってなぜでしょう?別にその後、この役が活躍するわけでもないのに。
この演出は解せない。

ところで、今日、ロビーで一つ発見。「レベッカ」のハイライト盤CDが出ました~!
もちろん、さっそく買いました。スタジオ録音です。(涼風さんも参加しています)
ただ、私が欲しかった曲がない…。
まずはマキシムの「凍りつく微笑み」。これが欲しかった祐一郎ファンは多いんじゃないかなぁ~。東宝さーん…、入れてよぉ。
それからフランクの「誠実さと信頼」。数少ない禅さんの曲なんだから入れようよ。。。
そしてベアトリスの「何を悩む」。今回出演の女優陣の中では群を抜いて上手い彼女の歌がないなんて!(もちろん、シルビアさんも涼風さんも上手いんだけど)
個人的には「なぜそれが好き?」と友人に聞かれるんですが「レディなんて柄じゃない」(ミセス・ヴァン・ホッパーが最初に歌う曲)も大好きなんですよね。覚えられた部分だけですが、この2年間、よく歌っていました。
と、不満だらけではあるものの、もちろんこれを書いている今も部屋で流しています。
ちひろちゃんが歌っている「永遠の瞬間」が覚えたくて。歌詞がいいですよね。「好きな時に会えるように瓶に詰めて…」っていうところ。祐さんマキシムを瓶に詰めておいて、好きな時に開けて会えたら、そりゃあもう幸せでしょうよ!
…と、まあ戯言はおいといて。

何だかんだ書きましたが、今回の「レベッカ」、もう一度観に行こうと思います。今度はシルビアさんの回でね!

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