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2009年5月6日水曜日

『告白』

湊かなえ/著の『告白』を読みました。
本屋の店頭で「いちばん売りたい本! 本屋大賞 第1位」とデカデカと書かれていたのに惹かれて、現代作家の本はほとんど読まないのに買ってしまったものです。(買ったのはちょっと前のことで、本棚に入れたまま忘れていたのを、ふと思い出して読んでみたのです)

小説的にいえば、面白いんだと思います。どんでん返しにつぐどんでん返しで、どういう終わり方をするのかはまったく想像つきませんでした。
どの登場人物の心情も理解できるし、まさに現代社会を映したような本です。一つの事件を様々な立場から描き、その行きつく先を告白調で明かしています。

確かに新人作家らしからぬ才能がある。それを評価されていることについては、まったく異論はありません。

ただ、読み進めるに従って、私の中で激しく拒否する気持ちが起こってきました。

本屋大賞で1位になった作品はその後の映画化などが予想され、ヒットすることが約束されたようなもの――どこかのテレビで言っていました。

これを映画化する?!冗談じゃない!!

この「冗談じゃない」には、二つの意味があります。
一つは、映画化には向かないんじゃないかと思うこと。映像化してしまうと、さまざまな立場から描かれるそれぞれのエゴなどが見えにくくなってしまうから。これがその小説の大きな特徴なのに。芥川龍之介の『藪の中』と同じ。

もう一つの意味は、無意味な少年犯罪や無差別犯罪をなくしたいという気持ちから。
この小説ではまったく解決にはなりません。別に作者は解決しようと思っているわけではないでしょうけれど、この作品の最後の一章(第六章)は特に希望を絶望にたたき落とすようなものです。
これを映像化した場合、どういう人が影響を受けるでしょう??
不安を煽られる人がいるか、図に乗る人がいるかです。

第六章さえなければ・・・??いや、煽られる不安はどこからだろう??
もっと前から。第3章あたりから・・・?

私たちが心に留めておかなければならない事柄が含まれている一方、危険な感じもしてしまう小説でした。。。

でも、読む人によって感想は様々ですからね・・・。

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