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血液型…A型/ 星座…牡牛座/ 性格…頑固な保守派/ 得意なこと…セリフの暗記/ 苦手なこと…手先を使うこと、音符を読むこと、整理整頓/ 口癖…あら、まあ!

2008年12月14日日曜日

短編集


今週は吐き気に悩まされていたこともあって、読書に集中できなかったのが残念。ちっとも頭に入っていなかったことに気づいて、同じ作品を改めて読み直さないといけなかったことが何度かありました。

左の写真が週の前半に読んでいたもの。角田光代/作の『さがしもの』(新潮文庫)。
本にまつわる物語を集めた短編集です。
私はなかなか現代作家の作品を読まないせいで、この作家のことは名前もしらなかったんですね。ただ単に「本にまつわる話だけを集めた短編集ね…。へえ~」と思って手に取っただけで。
軽い感じの、まさに「小品」と言えるような作品を集めています。
…正直なところ、面白くなかった。どれを読んでも「ああ、あるね。こういう感覚」「この人、本当に本が好きなんだろうな」くらいの感想しか出てこないんですよ。「本にまつわる物語」を集めた物なので仕方がないのかもしれませんが、どこまで読んでも「本」がメインにあるので、途中で飽きてきてしまいました。それぞれがばらばらの短編集に収録されていたのであれば、面白く読めたのかもしれません。読み終わったときに、この作家の他の作品を読んでみようという気にはなりませんでした。
別に駄作だと言っているわけではないんですよ。評価されているのもよくわかるんです。単に“わたし好み”ではないというだけです。軽すぎるんだろうな。
右の方のは週の後半に読んでいた『モーム短篇選(上)』(岩波文庫)。
タイトル通り、サマセット・モームの短編を集めたものです。
モームの作品の中で初めて読んだのは『月と六ペンス』なんですけど、あまりの面白さに最寄駅で電車を降りるために読むのをやめるのが嫌で、わざと乗り越したくらい“わたし好み”でした。モームの短編を読むのは、今回が初めて。
いや~、これは面白かった。この「面白い」は「笑える」じゃありませんよ、念のため。
サマセット・モームって、人間観察眼が鋭いんですよ。「人」というものをこんなに理解できている人ってなかなかいないのではないかと思うんです。だから作品の中の社会風刺は痛烈。嫌味ったらしくないのに。
ここに収められた作品には、共通して“価値観”というのがテーマとして据えられているようです。『月と六ペンス』もそうだし、作家モームのテーマなのかもしれませんね。
ほらね。やっぱり古い作品の方が好きだ、私。
来週はちょっと小説からまた離れたものを読もうかと思っています。

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