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血液型…A型/ 星座…牡牛座/ 性格…頑固な保守派/ 得意なこと…セリフの暗記/ 苦手なこと…手先を使うこと、音符を読むこと、整理整頓/ 口癖…あら、まあ!

2009年7月18日土曜日

「COCO」


なぜかとっても見たいと思ったミュージカル「COCO」。ようやく行けました!
一人のファッション・デザイナーをどのようにミュージカルにしているのか。ココ・シャネルを鳳蘭さんがどういう風に演じているのかが見たかったんです。

鳳蘭さんはまだその舞台を見たことがなかった「大物」の一人でした。目鼻立ちのくっきりしとした、いかにも舞台のために生まれてきたかのようなその風貌と、写真からでもにじみ出ているパワフルさはぜひ生で見たいと思わせる人でした。で、これが初めての鳳さん。
意外に小さい人なんですね。勝手にスラッと身長のある人かと思っていたので、驚きました。でもそのパワフルさは想像以上。最初のシーンから出ていますが、しばらくは歌わないんですよね。で、アンサンブルの方々の歌が1曲目なんですけど、これがちょっといただけない。1曲目にしては、観客を引き込めるような歌声にはなっていなくて、正直がっかりしました。はじめがこれではなぁ~…なんて思っていたんですが、鳳さんが歌ったらぐっと引き込まれてしまいました。
正直なところ「美声」ではないと思います。お歳がお歳だからか、元からそうなのか、高音はキツイところも多いし。でも、人の心を掴む力がある。宝塚の元トップの人はたくさんいますが、ここまでグ~ッと観客を掴んでしまう魅力がある人はあまり見ないな。宝塚のトップだった人って、ときに存在が目障りになるくらい目立つ人がいるでしょ。鳳さんは目立つけれど、芝居に合わせて程よく舞台を仕切れる。こういうタイプのパワフルさは好きだな。

プリンシパルの方々は皆さん良かったな。大澄賢也さんが上手くなっていてびっくりしました。前に見たのは「グランドホテル」でしたからねぇ。あの時は4日目には声をつぶしてしまって、痛々しくなっていましたが、今日聞いた限りでは、喉に負担をかけない歌い方がちゃんとできてる。もっとお腹から声がしっかり出せたら、もっと良くなると思うんだけれども。
このお芝居のチケットを取ったのは、この人の声が聞きたかったから!とも言える鈴木綜馬さん。役柄はとっても合っているけれど、シャネルの物語なだけに、綜馬さんの曲は少なめ。でもやっぱり上手い。そして今陽子さんとのデュエットも綺麗。このお二人は、声も歌い方も全く違うのに、声が合うんですね~。
「プロデューサーズ」同様、強烈な個性の役を「自然に」こなしている岡幸二郎さん。役も歌もとってもお似合い。いかにもデザイナーだよね、あの体型。
初見の湖月わたるさん。可愛らしい声優さんのような声。歌は微妙な感じだったけれど、役柄とお芝居が合っていて、大澄賢也さんといいカップル。なんというか…無理のない二人。

アンサンブルのレベルがちょ~っと低いのが残念。プリンシパルに助けられている感じ。

それから、これは私と同じ感想を持った方もいらっしゃるのではないでしょうか。全体的に照明が暗いんですよね。だから、歌が盛り上がっても、見ているこっちの心が盛り上がらないことがあり、ちょっと残念。もう少し明るくできないかなぁ。。。と考えながら見ていました。でも、その一方で、派手な明るい照明はシャネルのシンプルな服を際立たせることができないのかな?と思ったり。う~ん。むずかしい。

さて、物語についての話に移りましょう。
孤独な強い女性であるココ・シャネルが、15年の引退生活からカムバックしたときのお話。
15年ぶりにカムバックしようとしても、パリでは彼女のファンションは過去のものとして扱われ、「彼女の味方」と称している周りの人々も、彼女と夢を共にしようとはしていない。そんな孤独な戦いの末に開いた復帰を飾るコレクションはパリのファッション界から酷評され、彼女は敗れ去ったかのように思えた。
しかし、パリが見捨てたシャネルをアメリカが必要とし、彼女は再び成功者として返り咲く。
孤独に一人戦い続けた人生を送ってきた彼女は、今、新たな小さな夢を見ていた。家族のような誰かと一緒にいること。もう寂しい人生にはならないはず。…その対象は復帰の戦いの中で見つけた、かつての自分によく似た少女。本当の娘のように、彼女のために役に立つ存在でいてあげることに喜びを見出したその矢先、彼女はシャネルの許を去った…。
どうして夢なんて見てしまったんだろう。もう誰かに頼る人生は送らないと決めたはずだったのに…。
これまで後悔したことなんて一度もないはずの強い彼女が、寂しさに揺らいだ自分の心を嘆く。
しかし彼女は「ココ・シャネル」にカムバックする。
「私はココ・シャネルという人生を後悔しない!」と。。。

シャネルの人生を全て描くわけでもなく、カムバックから死ぬまでを描くわけでもない。カムバック周辺の数か月(数年?)に的を絞っているところが、この作品を力強くしていると思います。とても落ち着いた、大人のミュージカルでした。

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